「褒めて伸ばす」の大間違い

長いこと「褒めれば伸びる」と言われ、子供を何でもかんでも褒めるだけの親や学校が増えた。
何も知識のない乳幼児ならばまだしも小中高校生に対して、現状把握もさせずに褒めてどうなるのか。
子供は、逸脱していることを注意され、自問自答しながら社会に適応するのである。逸脱していることすら認識させず褒められた子供は、逸脱した行動が正しいベクトルであると勘違いして助長されるだけである。
万引きした子供を叱らないと言っていた教育評論家がいたが私には理解できない。
まずは集団には越えてはいけない一線があることを理解させるために規則という箱の中で生活させる。次に、一線を越えたときに、その行動が悪いと言うことを理解させる。集団生活が送れるようになって初めて集団に寄与できる分野を見つけさせる。その行動が皆のためになって初めて褒められるのである。
「褒めて伸ばす」とは、事前の準備があって意味をなすものであって、何でもかんでも褒めていればいいと言うことでは教育を放棄し問題を先送りにするだけのことである。
教育するとは、子供から反発を買うことは当然で、学校にとっては生徒・保護者とトラブルになる可能性もある。しかし、それを恐れていたら教育などできない。
だから、学校は「褒めて伸ばす教育をしています。」と耳障りのよい言葉で生徒を募集するのです。生徒は怒られない学校生活を送れる訳ですから楽しく過ごせるでしょう。しかし、卒業するときに社会に適応できる人間に成長できるのでしょうか。
小学校は中学校へ、中学校は高校へ入学させてしまえば良いわけです。問題の先送りは大学卒業時に発覚します。つまり、「就職できない」。大学は大学院への進学を勧めるかもしれません。これも問題の先送りです。
まずは足元を見よ!
子供の現状を把握せずに褒めることはできないはずです。
2013.10.09